VDIに関するアンケート調査
サマリー
● 実際の盗難・紛失事例は、4社に1社が毎年起きていると回答
● VDI利用における課題はレスポンスや通信環境、アプリケーションの制限
● VDIの選定目的は70%が「セキュリティ」と回答する一方、「セキュリティ面で何の不安もない」は20%にとどまる
● VDI環境で約4割がFAT PCを利用し、次回の採用は、VDI、リモートデスクトップに次いでセキュアなFAT方式が3位
調査結果
1.VDIを実施するためのコストは、年間IT費用のうち平均で約25%
VDIを実施するためのコスト(ライセンス、サーバーなど)は、情報通信に関わる年間費用のうち平均で約25%を占めていることがわかりました。多いところでは50%以上かけている企業もあり、重要性を感じつつも、VDIのコストがIT費用を圧迫していることが伺えます。
2.実際の盗難・紛失事例は、4社に1社が毎年起きていると回答
企業内でのPCの盗難や紛失事故は、「3年程度に1度起きる」が27%、「毎年おきる程度にはある」が25%と半数以上が毎年または3年に一度は発生していることがわかります。
企業がさらにデータのセキュリティ対策を強化することはもちろん、近年の情報に対する重要性を改めて一人一人が再認識する必要性があります。特に、リモートワークや移動勤務が増える現在では、デバイスの適切な管理やリモートワイプ機能の活用なども重要な対策となります。
3.VDI利用における課題はレスポンス、通信環境、アプリケーションの制限
VDIユーザーの利用における課題については、「レスポンスが遅い」(50.0%)が最も多く、次いで「通信環境が悪いとき困る」(40.5%)「アプリケーションに制限がかかる」(38.5%)となりました。また、運用における課題では、「サーバ管理」(40.3%)、「仮想環境のソフトウェア管理」(36.5%)となっており、VDIを利用するにあたり、パフォーマンスの悪さや運用管理の負荷といった課題がわかります。
リモートワークが常態化する以前では想定されていなかった通信環境に依存する利便性への対策が求められています。
4.VDIの選定目的は70%が「セキュリティ」と回答する一方、「セキュリティ面で何の不安もない」は20%にとどまる
VDIの導入目的は、70%がセキュリティを挙げています。
一方で、VDI環境での盗難紛失時の認識について、「セキュリティ面では、なんら不安視することはない」と回答したのは20%にとどまり、80%の企業がVDI環境におけるPCの盗難や紛失に対して不安を感じていることが分かりました。
VDIの導入によりセキュリティが完全に確保されるというわけではなく、サイバー攻撃や情報漏洩が頻発している現代においては特に、企業は更にセキュリティ意識を高める必要があることが示唆されます。
5.VDI環境で約4割がFAT PCを利用し、次回の採用は、VDI、リモートデスクトップに次いで、セキュアなFAT方式が3位
VDIで利用するPC端末は、シンクライアントが52%、FAT PCが22%、どちらも利用が22%という回答から、約4割は、FAT PCを利用していることがわかります。
VDI製品・サービスを見直す際に次に採用したい方式についての質問では、「VDI方式」が45.8%と最も多く、次いで「リモートデスクトップ」 31.8%、「セキュアなFAT PC方式」25.3%となりました。
近年、「セキュアなFAT PC方式」への注目度も高く特に大規模企業では多様な方式を試したいとするニーズが見られます。
考察
実施するためのコストも年間IT予算の25%を占めるという結果が現れ、あらゆる企業でDX化が求められる中、負担になってきているとも言えます。
更に、VDI環境においてセキュリティ面での不安を感じないと回答した企業は20%にとどまりますが、約80%の企業はPCの盗難や紛失に対して一定の不安があることも分かります。
このような状況下で、高いセキュリティを保ちつつもコスト面を抑えられるセキュアFAT PCへの関心度も高まっています。
また、VDI環境でのPCは、約4割がFAT PCを利用しており、今後のセキュリティ対策の選択肢の一つとして、セキュアFATの利用が重要になってくると考えられます。
調査概要
調査対象:従業員規模1,000人以上のテレワークを実施するVDI利用企業において、テレワークの導入や計画作成、立案支援等に係る者 400人集計方法:Webアンケート調査
調査期間:2023年12月