2024年12月18日

調査から見る次世代端末の選択肢
【第1回 企業の端末事情】

9割以上がPCを社外持出し

テレワークの普及や働き方の多様化により、PCを社外に持ち出す企業は、ここ数年で急激に増え、最近の調査では、95%に達しています。

一方で、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、企業を取り巻くセキュリティ脅威は年々増しており、ここ数年、セキュリティを考慮して、端末にはデータを残さないVDI(Virtual Desktop Infrastructure)やDaas(Desktop as a Service)の普及も見られます。

コロナ禍を機にテレワーク主体としていた企業でも、オフィスへの出社の機会が増えてきており、また、クラウドサービスの普及やネットワーク環境の整備も相まって、いつでもどこでも自由に仕事ができるハイブリットワークの時代に入っています。
ハイブリットワーク時代の端末選択は、テレワーク時代から様相が変わりつつあります。

ここでは、先日開催された「IDC Future of Workstyle Forum 2024, Japan」にて、当社が行った調査結果をもとに、2回にわたって、企業の端末事情を解説します。

冒頭で触れたように、9割以上の企業で、PCの社外利用が行われており、社外に端末を持ち出さないとの回答は5%のみとなっています。

PCの社外持出し

4割がVDIやDaasを利用し 目的は情報漏洩対策

その利用形態を見てみると、VDIやDaasを採用している企業が約4割となっています。

利用形態

VDIの採用理由は、情報漏洩(85.7%)とテレワークでの利用(60.7%)と、この2つの回答に集中していますが、中でも情報漏洩対策は、8割超とほぼ全てのユーザーが理由として挙げています。

導入理由

このことから、VDI利用におけるデータ保護の重要性がうかがえます。

VDIの利用端末は9割がWindows PC

VDIで利用端末としては、シンクライアントが多く利用されてきました。
シンクライアント自体は、特に新しい考え方ではなく、「メインフレーム(汎用機)」時代において、強力な処理能力を持つメインフレームに、複数の専用端末(ダム端末)からアクセスするという「中央集権型」の仕組みが確立されていました。端末としては、シンクライアントの基礎とも言えます。

1990年代、Windows の登場とともに、端末側にソフトウエアをインストールして利用する分散型の時代となります。

2010年頃からVDIが普及するとともに、シンクライアントの利用も進んできましたが、今回の調査では、6割以上がVDIの端末として、Windows PCを利用しています。

利用端末

シンクライアント専用端末も安くは無く、選択肢も限られ、アプリケーションの可動性などの課題で、伸びていないようです。

VDIユーザーの7割以上でローカルへのデータ保管が可能性

Windows PCが多く利用されていることで、端末自体の使い方、セキュリティ対策に関して確認したところ、7割以上がローカルへのデータ保管を行っている可能性があることがわかりました。

端末へのデータ保管

VDIの導入目的が「情報漏洩対策」にも関わらず、7割以上がローカルにもデータ保管が可能と回答している結果に驚きを隠せません。
仕組み導入することだけで満足して、実際には利便性などを無視できずに安全対策が疎かになってしまっているのでしょう。

2023年末に実施した別の調査結果でも、盗難紛失時の認識について、「セキュリティ面では、なんら不安視することはない」と回答したのは2割にとどまり、8割の企業がVDI環境におけるPCの盗難や紛失に対して不安を感じていることが分かりました。

参考:VDIに関するアンケート調査結果
https://zenmutech.com/information/news/20240424/

このような状況に至っている背景や、次の選択肢としてどのような端末ソリューションが求められているのか、次回のコラムでご紹介します。

第2回は、こちら

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