2026年09月13日

New! データレスクライアントとは|VDIに代わる新しいPCセキュリティの選択肢

クラウドVDIのコストや遅延、オフライン制約に悩む企業にとって、いま注目したいのがデータレスクライアントです。会社支給の業務用PCで生産性を保ちながら、紛失・盗難時の情報流出リスクを抑える設計を取りやすい新しい選択肢として、VDI、データレスPC、セキュアFAT、秘密分散といったキーワードが改めて比較検討されています。

※データレスPCは横河レンタ・リースの登録商標 ※本記事は、会社支給の業務用PCを前提に整理しています。 ※法令対応、個人情報保護法上の報告要否、契約上の通知要否などの最終判断は、個別事情に応じて法務・個人情報保護体制と確認してください。

データレスクライアントとは何か

定義:データ処理はしてもローカルに意味のあるデータを残さない端末

データレスクライアントとは、単に「端末にデータを置かないPC」ではありません。より本質的には、会社支給の業務用PCで仕事のしやすさを維持しながら、端末紛失・盗難時に情報がそのまま読まれてしまう状態を避けるための実装方式です。

データレスクライアントは、通常のPCリソースをそのまま活用して業務用PC上でデータ処理は行いながらも、ローカルディスクに意味のあるデータを残しにくいよう設計された端末・方式を指します。通常のWidnows(FAT-PC)に強固なセキュリティ対策を行うということで、セキュアFATなどとも呼ばれています。[ITトレンド]

シンクライアント/FAT-PCとの違い

シンクライアントは、端末機能を極力絞り、サーバー側での処理する前提とした構成です。FAT-PCは、端末にOSやアプリ、データも持ち、自由度が高い一方で、紛失・盗難時のリスク設計を別途考える必要があります。データレスクライアントは、この中間にある発想です。業務PCとしての操作性や既存アプリ利用を保ちながら、端末側に残るデータの扱いを工夫して、情報流出リスクを抑える点が違いです。

 

項目 VDI / シンクライアント FAT-PC データレスクライアント
業務処理の中心 サーバー側 端末側 端末側
オフライン継続性 低い 高い 方式により高めやすい
Web会議 制約が出る場合あり 柔軟 比較的柔軟
端末紛失時の情報保護 高い 低い 高めやすい
導入・運用負荷 高い 低い 最適化しやすい
代表的な考え方 集約管理重視 利便性重視 利便性と情報保護の両立

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なぜ今、データレスクライアントが選ばれているのか

VDIの運用コストや通信遅延、オフライン時の業務停止といった課題が現場レベルで顕在化してきたことが、データレスクライアントが評価されている背景にあります。PC更改や働き方の変化という外部要因も重なり、経営層は従来とは異なる投資対効果の見方を求められています。

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VDIの運用コスト・通信遅延・オフライン課題

VDIを利用する企業では、ネットワーク起因のトラブル対応や、Web会議の運用しづらさ、移動先で通信が不安定な場面での業務停止が課題として挙げられています。こうした問い合わせ対応や待ち時間は、ライセンス費用や保守費用といった見えやすいコストとは別に、日々の運用負荷として積み上がっていきます。実際の導入企業でどの程度の負荷が発生し、どう改善したかは、後述の導入企業の声で具体的に紹介します。

PC更改や働き方の変化で再注目される背景

現在は、PC更改、Windows 11移行、テレワークの常態化、オフィス回帰と出社・在宅の併用など、業務用PCを取り巻く前提が大きく変わっている時期です。総務省のテレワークセキュリティガイドライン第5版も、業務用PCの台帳整備、アップデート管理、紛失・盗難への備え、ルール・人・技術のバランスを重視する方針を示しています。単に社外からつながればよい時代ではなく、業務継続性と管理性を両立できる端末設計そのものが問われる局面に来ています。[総務省]

経営層が見るべき投資対効果の観点

経営層や情報統括部が判断すべき対象は、ライセンス費用やサーバー費用だけではありません。運用保守工数、ヘルプデスク負荷、社員の待ち時間、Web会議品質、オフライン時の業務停止による損失、PC更改時の再設計負荷まで含めた総コストで比較する視点が必要です。単なるセキュリティ製品同士の機能比較ではなく、働き方全体に対する投資対効果として捉えることで、判断の軸がぶれにくくなります。

主な実現方式の整理(同カテゴリの代表的アプローチ)

サーバー集約型:データを社内/クラウドの専用サーバーに集める

この方式は、ローカルディスクにデータを残さず、社内ファイルサーバーやクラウドストレージにデータを集約するアプローチです。横河レンタ・リースのFlex Work Placeや、日立システムズのデータレスPCソリューションは、この文脈で理解しやすい代表例です。ローカル保存を抑え、管理対象を集約しやすい点が強みで、データレスPC市場をともに形づくっているカテゴリとして認識しておくと比較検討しやすくなります。

秘密分散型:ユーザーデータを秘密分散してPC内と外部に分けて保管する

もうひとつの方式が、データを無意味な断片に変換し、PC内と外部(クラウド/スマホ等)に分散保存するアプローチです。ZenmuTechの秘密分散技術では、分散片は単体では意味を持たず、必要な条件がそろって初めて復元できます。これは単純な「暗号化してPC内に残す」とは考え方が異なり、片側だけ取得されても元の情報として読めない状態を作る点に特徴があります。[zenmutech.com]

この方式は、データの復元・利用をPC上で行う点にも特徴があります。サーバー側に処理を寄せる構成と異なり、端末そのものの性能をそのまま活かして業務を進められるため、通信品質によって操作感が左右されにくく、オフライン環境でも作業を継続しやすくなります。また、断片がそろわない限りどこにも意味のあるデータが存在しないという点で、データレスの考え方をより徹底した方式ともいえます。

業務要件で見るべき選定軸(オフライン要件/生産性/運用)

選定時に大切なのは、「どの方式が優れているか」を一律に決めることではなく、自社の業務要件にどちらが合うかで考えることです。たとえば、通信品質の影響をできるだけ小さくしたい、外出先でも業務を止めたくない、既存PC運用を大きく変えたくないなら、オフライン継続性や端末側の使い勝手が重要です。一方で、集中管理や保存先統制を最優先するなら、集約型の適合度が高い場合もあります。比較のポイントは、オフライン要件、生産性、運用負荷、既存環境との親和性です。

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ZenmuTechが提案する”セキュアFAT × 秘密分散”

ZENMU Virtual Driveの位置づけと特徴

ZENMU Virtual Driveは、ZenmuTechが独自の秘密分散技術をもとに開発したセキュアFATソリューションです。前述の分類でいえば、PC内+外部分散型のデータレスクライアントにあたります。

ZenmuTechはこの製品を「ポストVDI」として位置付け、セキュリティ・利便性・高生産性を兼ね備えた選択肢として提供しています。実際に、VDIの課題を背景に情報漏洩対策と業務のしやすさの両立を求める企業に選ばれており、会社支給の業務用PCにおける現実的な選択肢の一つになっています。

PC内と外部(クラウド/スマホ等)に分散保存する仕組み

ZenmuTechの秘密分散では、データを無意味な断片に変換し、PC内と外部(クラウド/スマホ等)に分散保存します。分散片単体では意味がなく、あらかじめ定めた条件がそろわなければ元データに復元できません。ここが、鍵を使って守る暗号化と比較されるポイントです。暗号化は鍵管理が重要になる一方、秘密分散は断片自体を単独で読めない形にするため、リスクの集中を避けやすい考え方です。

復元はPC上で行われるため、端末の性能をそのまま活かして業務を進められます。【新規追加】サーバー側で処理して画面だけを転送する構成とは異なり、動作の遅延やパフォーマンス低下が起きにくいのが特徴です。

オフラインでも業務継続できる利便性

データ保護の仕組みが強くても、現場で使いにくければ定着しません。前述のとおり、この方式はデータの復元・利用がPC上で完結するため、通信が不安定な環境でも業務を継続しやすくなります。ZenmuTechの導入事例でも、VDIからの移行により、移動先でも業務を止めずに済むようになった、Web会議が容易になった、といった利用者評価が紹介されています。情シスにとって重要なのは、セキュリティ水準を維持しながら、いかに現場のストレスや問い合わせを減らせるかです。その意味で、オフライン継続性は利便性ではなく、業務継続性そのものの論点といえます。

導入企業の声:星野リゾート・アセットマネジメントの事例

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VDIからの移行で運用コストを6分の1に削減した背景

星野リゾート・アセットマネジメントは、全社員が使う業務端末をVDIベースのシンクライアントから、ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition(以下ZEE)ベースのデータレスクライアントへ切り替えました。その結果、公開事例では運用コストを従来の6分の1へ低減したとされています。ここで注目すべきなのは、単なる費用削減ではなく、セキュリティ水準を保ちながら、運用の手間も減らした点です。

オフライン業務継続とWeb会議運用の改善

同事例では、VDI利用時にはネットワークに関する問い合わせが頻繁にあり、対応に1日平均20分程度を要していた一方、ZEE導入後はそれがほぼゼロになったと紹介されています。また、Web会議の運用が容易になり、リモート間の情報共有・意思疎通が効率化したとも述べられています。これは、VDI代替を検討する際に、通信依存による現場負荷を定量・定性の両面で見直す必要があることを示しています。

セキュリティ水準を維持したまま利便性を強化

導入事例で特に参考になるのは、セキュリティと利便性がトレードオフで終わっていないことです。星野リゾート・アセットマネジメントでは、高いセキュリティ水準を確保しつつ、移動先でも業務を止めず、会議運用も改善し、問い合わせも減ったと整理されています。情シス部門長や経営層にとっては、守るために不便を強いるのではなく、守りながら業務を前に進める設計になっているかが、実際の導入判断のポイントになります。

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「データレス」と「無意味化」を混同しないための実務的なポイント

「データレス」という言葉は、端末に何も保存しないと誤解されがちですが、実務では”意味のある形で残さない”という整理が重要です。サーバー集約型も、秘密分散型も、目指しているのは端末紛失・盗難時の情報流出リスクを抑えることです。方式は異なっても、情シスが見るべきなのは、会社支給PCにどのような状態でデータが残るのか、そしてその状態が事故時にどう評価されるのか、という点です。[ITトレンド]

導入検討時に情シスが必ず押さえるべき確認項目

確認項目は、①オフライン時の業務継続性、②Web会議や周辺機器の使い勝手、③運用保守・ヘルプデスク負荷、④PC更改時の影響、⑤紛失・盗難時の情報保護設計、⑥法務・個人情報保護体制と連携した運用整理、の6点です。特に最後の点は重要で、技術的に情報流出リスクを抑えられることと、報告要否をどう判断するかは同じではありません。最終的には自社ルールと個別事情で確認する必要があります。

FAQ

データレスクライアントとシンクライアントは同じ?

同じではありません。シンクライアントは、端末機能を絞り、サーバー側に処理やデータを寄せる前提が強い概念です。一方、データレスクライアントは、より広く「端末に意味のあるデータを残しにくくする設計」を指して使われます。したがって、サーバー集約型のデータレスPCもあれば、PC内と外部に分散保存して単独では意味を持たない状態を作る方式もあります。実務上は、構成の違いよりも、オフライン継続性、Web会議のしやすさ、運用負荷、紛失・盗難時の情報保護設計を比較するのが重要です。[zenmutech.com]

セキュアFATとデータレスクライアントの違いは?

セキュアFATは、FAT-PCの操作性を残しながら、強いセキュリティを持たせる考え方です。データレスクライアントは、より広いカテゴリ名として使われることが多く、サーバー集約型も、PC内+外部分散型も含めて語られる場合があります。そのため、両者は排他的な概念というより、重なり合う関係です。比較検討では言葉の定義争いに入るよりも、「自社の業務用PCでどこまで自由度を残したいか」「紛失・盗難時にどのような状態なら許容できるか」を基準にしたほうが、導入判断がしやすくなります。

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紛失・盗難時に「報告不要」と言い切れるのか?

言い切ることはできません。技術としては、データレスクライアントや秘密分散ベースのセキュアFATは、紛失・盗難時の情報流出リスクを抑える設計を取りやすいのが特長です。その結果として、報告を不要とする運用を採用しているケースもあります。ただし、実際の報告要否は、保存されているデータの内容、自社規程、個人情報の有無、取引先契約、監督官庁や法務判断などに左右されます。したがって、技術導入だけで一律に結論づけるのではなく、法務・個人情報保護体制と一緒に整理する姿勢が不可欠です。

オフラインで本当に使えるのか?

これは方式によります。VDIやサーバー依存の強い構成では、通信が不安定になると使いづらさが出やすい一方、端末側で業務継続しやすい設計を採るデータレスクライアントでは、オフライン時の利用性を高められる場合があります。実際に星野リゾート・アセットマネジメントの事例では、移動先でも業務を止めずに済むようになったという評価が紹介されています。選定時は「オフライン対応」と一言で確認するのではなく、どのアプリが使えるのか、保存挙動はどうなるのか、復帰時にどう同期・復元されるのかまで確認するのが現実的です。[ITトレンド]

まとめ

データレスクライアントは、単なる新しい製品名ではなく、VDIのコストや通信依存、運用負荷といった課題を見直しながら、会社支給の業務用PCで利便性と情報保護の両立を図るための選択肢として捉えるのが適切です。特に、オフライン時の業務継続性、Web会議のしやすさ、ヘルプデスク負荷、PC更改時の影響まで含めて考えると、従来のVDIやFAT-PCだけでは整理しきれない論点が見えてきます。

比較検討の初期段階では、まずVDIとデータレスクライアントの違い、セキュアFATと秘密分散の考え方、実際の導入事例をあわせて確認し、自社に合う方向性を整理することが大切です。そのうえで、すでにVDI更改やPC更改のタイミングが近づいている場合は、製品単体の機能比較だけでなく、自社の業務要件や運用体制にフィットするかという観点から検討を進めることで、導入後のギャップを減らしやすくなります。

VDI代替やデータレスクライアントの比較検討を進める際は、違いや考え方、導入事例をまとめた資料をご活用ください。

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実際の操作感を確かめたい場合は、デモとトライアルもご用意しています。導入前に、オフライン時の挙動や既存アプリとの相性を実機でご確認いただけます。

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