2025年11月13日
三島市 – ZENMU for PC導入事例 –

三島市が「ZENMU for PC」で
安全・低コストなテレワーク環境を実現
富士山南麓・箱根西麓に位置する静岡県三島市。同市の行政を司る三島市役所では、職員に貸与するテレワーク用PCのデータ漏えい対策としてZENMU for PCを採用した。これにより、庁内ネットワークに手を加えることなく、従来よりも低コストでテレワークにおけるデータ漏えい対策の強度を高めることに成功している。
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導入前の課題
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導入後の効果
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ZENMUの選定理由
- コストパフォーマンス良くPCのデータレス化が実現できる利便性
- 既存ネットワークに変更を加えずにPCのデータレス化が実現できる導入のしやすさ
導入の背景
テレワークの始動で
データ漏えい対策の強化が必須に
「水の都」と称される三島市は、東海道新幹線の停車駅でもある三島駅から中心の市街地にかけて富士山の雪解け水がせせらぎとなって流れ、豊かな湧き水と緑が各所に点在する美しい景観の街だ。2025年9月末時点で10万2,000人超の住民が暮らしている。
市の行政を担う三島市役所では、IT部門であるデジタル戦略課のもと、スマート市役所の推進やオープンデータ、デジタル技術の利活用、セキュリティの確保・強化に取り組んでおり、同市では新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行を契機にテレワーク端末を導入した。
三島市 デジタル戦略課の副参事 課長補佐 デジタル推進係長 木本智氏は「市役所の仕事は、窓口業務をはじめとして出勤前提のものが多いのですが、在宅勤務でも差し支えない業務だったり、何らかの理由でテレワークが必要になるということもあります。
そうしたケースへの対応策として、申請によりテレワークを認める制度を、コロナ禍を機に導入し、今日に至っています」と説明する。
三島市 企画戦略部 デジタル戦略課 副参事 課長補佐 デジタル推進係長
木本 智 氏
テレワークの導入に伴い必要とされたのが、セキュリティ強度の高いテレワーク用のPCだ。この点について、三島市 企画戦略部 デジタル戦略課 主査 長谷川正典氏は以下のような説明を加える。
三島市 企画戦略部 デジタル戦略課 主査
長谷川 正典 氏
「自治体の職員は、地域で暮らす方々の個人情報など、秘匿性がきわめて高いデータを業務で扱います。庁内のシステムは3層分離の『αモデル(*1)』の採用により重要情報のセキュリティを担保していますが、テレワークでは、そうした施策によって保護されたデータを庁外で扱うことになり、テレワーク用のPCには、データ漏えいリスクを徹底的に引き下げることが求められました。そこで、データ漏えい防止の特別な施策を講じたPCを別途用意し、テレワークを希望する職員に貸与することにしました」
その「特別な施策」として、三島市役所が採用した1つが「ZENMU for PC」である。
*1 αモデル:総務省による庁内システムの推奨モデルの1つ。庁内ネットワークを「マイナンバー利用事務系」「LGWAN系」「インターネット系」の3層に分離し、重要情報を扱うシステムに対する外部からのセキュリティ侵害リスクを最小限に抑えることを基本とする。
導入の決め手
「データレスPC」を凌ぐ
コストパフォーマンスを高評価
ZENMU for PCは、独自の秘密分散技術によって「意味あるデータ」がPCに存在しない「データレス」の状態をつくり、PCからのデータ漏えいリスクを最小化するソリューションだ。
三島市役所では当初、こうしたデータレス化を実現するための仕組みとして、他社の製品を使っていた。それは、PCのユーザーデータを常時外部のファイルサーバなどに保存させる「データレスPC」製品だ。長谷川氏は「テレワークにおける大きな懸念の1つは、PCの盗難・紛失によるデータ漏えいです。データレスPC製品は、その不安を解消するうえで有効な一手といえました」と振り返る。
もっとも、従来使っていた製品はいくつかの課題を内包していた。課題の1つは、製品の仕様として、PCとユーザーデータをやり取りする専用のファイルサーバを庁外に設置し、その運用・管理を製品のプロバイダーに一任する必要があったことだ。長谷川氏は「この仕様は、テレワークで使うPCから、庁内データに直接アクセスするセキュリティリスクを低減させるものですが、庁外にファイルサーバを設けたことでネットワークが複雑になり、かつ、コストがかさむことがネックでした。」と振り返る。
こうした課題を解決する仕組みとして、同市役所が新たに採用したのがZENMU for PCだ。本製品を選んだ理由について、長谷川氏は「ZENMU for PCは、専用のファイルサーバなど新たな設備を導入することなく活用できます。そのため、ネットワークが従来よりもシンプルになり、かつ、より少ないコストでPCのデータレス化が実現できると判断しました」と明かす。
導入の効果
既存ネットワークに手を加えずに
PCのデータレス化を実現
ZENMU for PCの採用を決めた同市役所では、10台あるテレワーク用PCにZENMU for PCを導入し、2025年5月から運用を開始している。その効果について長谷川氏は「従来のデータレスPCと同等以上のセキュリティ強度を有するデータ漏えい対策が、より低コストで実現できた点が大きいと見ています」と評価する。
また、木本氏は「当市では現在、新庁舎の建設を計画しており、それまでは既存のネットワークの構造を変更できない状況にあります。そのため、新たなデータレスソリューションの導入に際しては、追加の設備投資が不要なことや、既存のネットワークに手を加える必要のない点が要件でした。ZENMU for PCはその要件も満たしてくれていました」と述べる。
今後の展望
設定の自動化に取り組む
三島市役所では今後、リモートワーク用PCを貸与する際の設定を自動化し、運用の効率化を図ることを計画している。この計画について長谷川氏は、以下のような説明を加える。
「ZENMU for PCの導入は簡単で、その使用にエンドユーザーが大きく戸惑うこともありません。ただ、我々の場合、リモートワーク用PCを職員に貸与する際に、その人が使用できるネットワークドライブの割り当てなどを手作業で行っています。ZenmuTechの力を借りながら、こうした設定作業を自動化し、ZENMU for PCの導入効果をさらに向上させたいと考えています」
さらに、木本氏は「今のところZENMU for PCの適用範囲を庁内利用のPCなどへ広げる予定はありません。ただ、災害時における業務の継続性を担保したり、リモートワークをさらに推進したりするうえで、ZENMU for PCが有用なツールになりうることは理解できています。新庁舎の計画が固まり次第、ZENMU for PC活用の今後について多角的に検討していきたいと思います」と述べている。

お客様プロフィール
| 組織 | 三島市![]() |
|---|---|
| HP | https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ |
| 市庁舎住所 | 静岡県三島市北田町4-47 |
| 市職員数 | 734人(2025年4月1日時点) |
| 業務内容 | 三島市の行政全般 |





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