2025年05月15日
全国農業協同組合連合会-ZENMU Virtual Drive 導入事例-
Windows11環境への更新を機に
シンクライアントからセキュアFATへの移行を選択
日本の農業のさらなる成長・発展に向けて多彩な事業を展開している全国農業協同組合連合会。同団体では約1万人の全従業員が業務に使用していたシンクライアント環境を「ZENMU Virtual Drive」を使ったセキュアFATクライアント環境に切り替えた。これにより、端末におけるデスクトップの動作性能を大幅に向上させながら、情報漏えい対策に万全を期すことに成功している。
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導入前の課題
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導入後の効果
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ZENMUの選定理由
- FATクライアントの性能を生かしながら、情報漏えい対策に万全を期すことができる革新性
- 単純なディスクの暗号化では実現できないセキュリティ強度の高さ
導入の背景
利用者急増でSBCの性能問題が顕著に
全国農業協同組合連合会（以下、全農）は、日本全国に7,600人を超える正職員を擁し、非正規職員を合わせた従業員数は1万人を超えている。その中で旧来、出張や在宅勤務などのリモートワーク用としてSBCベースのシンクライアント環境を運用していた。
かつて、そのシンクライアント環境を利用する従業員は限定的だったが、Windows 10環境への移行を機に、約1万人の全従業員がそれを使い始めた。結果として、SBC環境などへのワークロードが跳ね上がり、仮想デスクトップの性能が低下していった。その当時を、全農 IT推進部 システム企画課の坪村 淳氏は次のように振り返る。
「ユーザ数は最初から数千～1万人規模を想定していましたが、事前の適切なキャパプラが難しく、結果として一度基盤増強をしています。その後も満足するレスポンスには至りませんでした」
また、全農では利用増に対応するため、既存のSBCやVDI基盤の増強に加え、新たにDaaS環境も導入するなど、シンクライアント環境の強化を進めていた。結果として複数の環境が混在し、「シンクライアント環境の管理も煩雑化していました」と、IT推進部 システム企画課の林 美歩氏は指摘し、こうも続ける。
「加えて、当時のシンクライアント環境ではWeb会議システムがきちんと動作しないことも間々あったほか、利用者数が増大する中でプリンタドライバの数がどんどん増え、それらの管理にも相応の手間がかかっていました」
全国農業協同組合連合会
IT推進部 システム企画課
坪村 淳氏
導入の決め手
データを端末に残しながら「無意味化」できる点を高評価
シンクライアント環境を巡る上述したような課題を解決する手段として、全農が採用したのが「ZENMU Virtual Drive」だ。全農では2024年2月から、クライアントOSの「Windows 11」への移行と併せてZENMU Virtual Driveの導入をスタート。同年11月には従業員各人が使う1万台強の端末への展開を完了させた。坪村氏は「従業員各人が使う業務端末は全てZENMU Virtual Driveを導入し配布しています。同製品が導入されていない業務端末は手続きを踏まなければ外部に持ち出せないルールも敷いています」と説明する。
坪村氏によれば、ZENMU Virtual Driveの採用を決める以前に、本製品以外に2つの選択肢があったという。1つは外部ストレージにあるデータを端末のデスクトップで使えるようにし、かつデータを端末に残さない「データレスPC」のソリューションだ。もう1つは、既存のVDI環境のリソースを増強し、使い続けることである。その中で、ZENMU Virtual Driveを選んだ理由について坪村氏はこう明かす。
「ZENMU Virtual Driveが魅力的だったのは、端末のローカルディスクにデータを残しながら、秘密分散によってそれを“無意味化”し、“情報が端末にない状態”が作れることです。これならば、端末における情報漏えい対策の強度を維持しながら、性能問題が解決できると判断しました。また、単なるディスクの暗号化とは異なり、端末の認証が突破されても、端末外に格納されているデータの分散片にアクセスできない限り、情報が復元できないセキュリティ強度の高さも評価しました」
全国農業協同組合連合会
IT推進部 システム企画課
林 美歩氏
導入の効果
端末の高い性能とセキュリティを両立
ZENMU Virtual Driveの採用によって全農はさまざまな効果を手にしている。
その効果について、坪村氏は「端末の性能をFATクライアントと同レベルに高めつつ、高い強度のセキュリティが確保できている点が素晴らしいと感じています」と述べ、次のように続ける。
「ZENMU Virtual Driveを導入した端末は、旧来のシンクライアント端末と同じく、盗難・紛失が発生しても、それは単なる『器物の損失』であり『情報セキュリティインシデント』として扱う必要はないというルールが適用できています。FATクライアントの性能と使い勝手を生かしながら、このようなルールが敷けるのはZENMU Virtual Driveならではの利点といえます」
また、林氏は「ZENMU Virtual Driveの導入により、セキュアなFAT端末環境を実現できたことで、複数のシンクライアント環境を運用管理する手間が低減されたほか、サーバインフラの管理者が、多種多様なプリンタドライバなどの管理に煩わされることもなくなりました」と評価する。
ZENMU Virtual Driveの運用には嬉しい誤算もあったようだ。その点について坪村氏は「ZENMU Virtual Driveの環境では、端末とZenmuTechのクラウド環境との間でデータの分散片が絶えず送受されます。また、全農の場合、DR（災害時復旧）のために分散片をデータセンターのサーバにも格納するようにしています。そのため、シンクライアント環境よりもネットワークへの負荷が大きくなり、帯域を広げる必要があるのではないかと考えていました。ところが実際には、オンラインでやり取りされる分散片は非常に小さく、ネットワークの増強は不要でした」と明かす。
こうした効果を踏まえ、坪村氏はZENMU Virtual Driveに対する評価をこうまとめる。
「DRの仕組みづくりも含めてZENMU Virtual Driveの活用に向けたシステム構築には相応の時間を要し、また、本会が使うIAM（Identity & Access Management）ツールとZENMU Virtual Driveを連携させる必要もありました。ただ、協力会社のシステムインテグレーターやZenmuTechの支援により、思い描いたとおりのセキュアFATの環境が築くことができ、従業員も満足して使ってくれています」
全国農業協同組合連合会様のシステム構成図
会社プロフィール
| 会社 | 全国農業協同組合連合会 |
|---|---|
| HP | https://www.zennoh.or.jp/ |
| 本社住所 | 東京都千代田区大手町1-3-1 JAビル |
| 代表者 | 代表理事理事長 桑田 義文 |
| 従業員数 | 7,645人（正職員数） |
| 業務内容 | 生産資材・生活用品の供給、共同利用施設の設置、農畜産物の集荷・加工・流通・貯蔵・販売、農業倉庫の経営、家畜市場の設置、畜産生産基盤・畜産ブランドの維持、など |
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