2026年04月09日
VDI/DaaSの利用に関する調査報告書
生成AIやAI PCの活用が進む中、企業のクライアント環境は大きな転換点を迎えています。
VDI/DaaSの導入が進む一方で、「ローカル処理の必要性」と「端末紛失時のリスク」という新たな課題も顕在化しています。
ZenmuTechは、日経クロステック Active リサーチとして、VDI/DaaS利用企業の情報システム部門の担当者を対象に 「VDI/DaaSの利用に関するアンケート調査」 を実施しました。
サマリー
- VDI/DaaSの導入理由は6割の企業が「セキュリティ」で、課題は「ネットワーク」
- 「端末ローカルにデータが保管できないようにしている」企業は3割程度
- VDI/DaaSの利用でも7割の企業が「端末へのデータ保管が必要」と回答
- VDI/DaaSを利用しながらも9割の企業が端末の盗難・紛失時のセキュリティに不安
- 今後採用したい方式として、4社に1社が「データレスクライアントを検討
調査結果
1.VDI/DaaSの導入理由は、6割の企業が「セキュリティ」と回答
VDI/DaaSの導入理由は、6割の企業が「セキュリティ」と回答。また、運用の容易性やメンテナンスのコストの容易性、端末管理の効率化など、運用時の情報システム部門の負荷を低減できる点が導入の理由として挙げられています。

2.VDI/DaaSの利用時は、通信環境やレスポンスの悪さなどネットワークが課題
VDI/DaaSの課題としては、通信環境やレスポンスなど、ネットワーク依存による使い勝手の悪さが上位を占めています。また、2割以上の企業は、導入コストだけでなく運用コストも課題となっています。

3.VDI/DaaSを利用している端末は、7割がWindows PC
VDI/DaaSへの接続端末の6割がWindows PCを利用しています。シンクライアント専用端末やWindowsPCをシンクライアント化した端末の利用は2割程度となっており、専用端末に比べて比較的安価で導入しやすいWindows PCの利用が増えている傾向が見られます。

4.VDI/DaaSを利用しながらも7割の企業は端末ローカルにデータが保管されている可能性
利用端末としてWindows PCが増える中、端末ローカルへのデータ保管をシステム的にできないようにしている企業は、3割程度にとどまっており、7割の企業は、端末ローカルにデータが保管されている可能性があります。
VDI/DaaSの導入理由をセキュリティと回答した企業も「システム的にに制御している」企業は4割にとどまっています。

5.VDI/DaaSの利用でも7割の企業が「端末へのデータ保管が必要」と回答
「端末へのデータの保管を不要」としているのは4社に1社程度で、7割の企業は、「端末へのデータ保管が必要」と回答。特に、VDI/DaaSの課題として、通信環境やレスポンスの悪さを上げている企業では、8割近くが必要性を感じています。
端末ローカルへのデータ保管を「システム的にできないように制御している」企業でも、6割の企業が必要性はあると回答。また、1割の企業は、セキュリティリスクよりも、端末へのデータ保管ができる利便性を重視していることが窺えます。

6.VDI/DaaSを利用しながらも9割の企業が端末の盗難・紛失時のセキュリティに不安
端末の盗難・紛失時の認識は、「全く不安を感じていない」企業は1割程度で、9割の企業は、セキュリティ面で不安があると認識しています。
端末ローカルへのデータ保管をシステム的に制御している企業でも、2割以上の企業が、セキュリティ面で問題があると回答しています。

7.今後採用したい方式として、4社に1社が「データレスクライアント」を検討
今後採用してい方式としては、VDIやDaaSはそれぞれ15%前後で、他の方式が検討されています。
4社に1社は、データレスクライアントと回答しており、これまでの結果が示す通り、セキュリティを重視しつつも利便性の高い方式が好まれる傾向
が窺えます。

考察
VDI/DaaS の導入理由としては、約6 割の企業が「セキュリティ」を挙げており、情報漏えい対策や端末管理の統制を目的とした導入が主流であることが確認されました。一方で、ハイブリッドワークの定着や生成AI・AI 活用の拡大により、業務におけるデータ処理量やリアルタイム性への
要求が高まる中、ネットワーク負荷やレスポンスの悪さが利用者の生産性を阻害する要因となっています。
その結果、セキュリティリスクを認識しつつも、業務効率を優先せざるを得ず、端末ローカルへのデータ保管を容認している企業が多数を占めている実態が明らかとなりました。VDI/DaaS を利用しているにもかかわらず、約7 割の企業が「端末へのデータ保管が必要」と回答しており、
VDI/DaaS 単体では業務要件を十分に満たせていないケースが多いことが窺えます。
利用端末については、約7 割がWindows PC を採用しており、汎用性や導入のしやすさを重視する傾向が見られます。しかし、端末ローカルへのデータ保管をシステム的に制御できている企業は3 割程度にとどまり、9割の企業が盗難・紛失時のセキュリティに対して不安を感じていると
いう実態が明らかになりました。たとえシステム的に制御を行っている企業であっても、ネットワーク経由でのアクセスや認証・通信経路に対する不安が残っている点も、今後の大きな課題と言えます。
今後採用したい方式としては、従来のVDI やDaaS を上回り、4 社に1 社が「データレスクライアント」を検討していることから、セキュリティと利便性を両立できる新たなアーキテクチャへの関心が高まっていることが読み取れます。単に「データを端末に残さない」だけではなく、「必要なときに、必要な形で、安全にローカル処理・保存ができる」仕組みが求められています。
今後、生成AI やAI PC の活用が進み、ローカル環境でのデータ処理や一時的なデータ集積が不可避となる中で、端末ローカルのデータをいかに安全に管理・無効化・分離できるかが、次世代のクライアント環境における重要なテーマとなっています。VDI/DaaS に代わる、あるいは補完す
る形で、セキュアなローカルデータ管理を実現するソリューションの必要性は、今後さらに高まっていくと考えられます。
調査概要
実施内容:VDI/DaaSの利用に関するアンケート調査
調査対象:VDI/DaaSを利用する企業の情報システム部門の担当者270人
集計方法:日経クロステックActive リサーチでのインターネット調査
調査時期:2025年12月
■ 資料のダウンロードは、こちら




オンラインセミナー
資料請求