2022年07月10日
三井E&Sシステム技研株式会社 -ZENMU SDK 導入事例-
シンプルな仕組みだから 人に依存せずに安全を担保できる
セキュリティの分野で、全く新しい技術として、ZenmuTechが開発した「ZENMU」が注目を集めている。 データを「無意味化」することで、情報漏洩リスクを限りなくゼロに近づける。この技術のコアであるZENMUエンジンは「ZENMU SDK」として、 外部パートナーが利用することもでき、様々なサービス開発プロジェクトが動き出している。果たして、どんなソリューションが 生まれようとしているのか。パートナー企業に話を聞いた。
(インタビュアー:日経BP総研イノベーションICTラボ フェロー 桔梗原 富夫)
「シンプルな仕組みで利便性と安全性を両立できる技術として評価しています」
三井E&Sシステム技研株式会社
代表取締役社長
森重 利文氏
桔梗原 三井E&Sシステム技研も新たなサービス開発を進めているそうですね。
森重 当社の前身は、三井造船(現:三井E&Sホールディングス)のシステム事業本部です。船舶に関する制御システムのハードウエアやソフトウエアの開発を数多く手掛けてきました。現在では、その技術をベースとしてグループ内外のお客様に様々なITシステムやソリューションを提供しています。
そうした取り組みをさらに推し進めるために、ZENMUを活用したメールセキュリティソリューションの開発に取り組んでいます。
メールの添付ファイルを暗号化したり、圧縮したりするソフトは多数提供されていますが、ほとんどが送信側にも受信側にも余計な手間を要求しており、利便性の面では課題を抱えています。
ZENMUを使うことで、メールの安全性と利便性を高められるのではないかと考え、現在、検証・開発を進めています。細かな仕様は詰めの段階に入っていますが、基本的にはユーザーの操作を最小限にして、メール送信と同時にZENMUによって秘密分散を行い、受信者側でも自動的に復元されるような仕組みを目指しています。とはいえ、誤送信のリスクはついて回るため、誤送信をさせないようなユーザーを支援する仕組みを付加したいと考えています。
桔梗原 開発に着手したきっかけは何だったのでしょうか。
森重 お客様および社内の情報共有に課題を感じていたことがきっかけです。当社のSEは、お客様の現場に常駐して作業をすることも多い。扱う情報の中には、非常に秘匿性の高いものがあります。
これまでは、情報共有のために特別なストレージサービスを構築し、アクセス権限や利用時間を限定して第三者に情報が渡らないようにすることで、セキュリティを担保していました。しかし、運用が煩雑で使い勝手に課題を抱えていたのです。
運用の煩雑さは、ともすればセキュリティ上の脆弱性となりやすい。そこで、先に紹介したようなセキュアなメールによるデータの受け渡しを実現したいと考えたのです。
桔梗原 御社はZENMU製品の販売パートナーでもあります。なぜZENMUに目を付けたのでしょうか。
森重 企業の情報セキュリティが問われる時代に、ZENMUのデータを無意味化するという独自技術の安全性に加えて、仕組みがシンプルなことを評価しました。
また、技術の将来性を確信し、まだ他の企業があまり取り扱いを開始していない早い段階から積極的に取り組み、いろいろな分野にZENMUを活用したソリューションを提供していきたいと考えて販売パートナーにもなりました。
桔梗原 ZENMU SDKを利用して、ソリューションを開発してみた感想をお聞かせください。
森重 汎用性の高い技術だからこそ、様々な可能性がある。私たちの社内では、当社が持つIoT製品やパッケージに活用するといったアイデアも生まれています。これから、様々な領域のパートナーが増えるのではないでしょうか。
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